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度である。近力点引数は昇交点の方向とのなす角度、さらに、傾斜角は執道画と赤道面とのなす角度である。
そこで、それらの角度を使って衛星の位置を表すには、地球中心にある軌道楕円の焦点は動かさずに、その点を中心としてつぎに示す座標の回転による3つの座標変換をすればよいことになる。すなわち、(1)軌道面上で軌道楕円上の昇交点にX軸を一致させるよう平面的に座標をωだけ回転する(図2.3)。(2)このX軸、すなわち、昇交点方向を固定しこれを軸として軌道面が赤道面にiなる角をもつようにiだけ回転する(図2.4)。(3)衛星位置を地球中心を原点とし、慣性空間に固定した直交座標系(X軸は春分点方向となる)で表すとiは、(2)のX軸を所定の昇交点赤経(経度)位置まで北極方向であるZ軸を軸に回転する。または衛星位置を地球中心を原点とし、経度O方向がX熱とし、かつ地球の自転とともに回転する地球固定の直交座標系で表わすときには、その時間に合わせて所要の角度だけ北極方向であるZ軸を軸に回転する(図2.5)。
これらの座標変摸を数式的に表現しつつもう一度述べると、まず図2.3に示すよう、衛星位置S(xω yω)をXω Yω座標から(Zω軸は紙面に垂直方向)昇交点経度方向にX2軸がくるよう近地点引数ωだけ(近地点引数は昇交点と近地点の角度だから)回転したX2,Y2座標系へ変換すると新しい座標系での衛星位置x2、y2、z2は次式となる。
つぎに、X2軸は昇交点方向であるゆえ地球の赤道画と一致しているので、この軸はそのままにして、図2.4に示すようにこの軸のまわり傾斜角iだけ回転した新しい直交座標系X1,Y1,Z1、上での衛星位置(x1,yl,z1)を求める、この系のZ方面は地球の自転軸、すなわち北極方向になる。
最後に、慣性座標系であれば、そのX軸が春分点方向をまた地球固定の座標系であればX軸が経度0°のグリニジ経度の方向を向いている座標系XYZにZ軸を中心に回転する(図2.5参照)。その回転角をβとすると、βは慣性座

 

 

 

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